光芒とは別名、光条ともいい、街灯や照明などのような点光源を中心に光がキラキラと写る現象です。
工場夜景などで良く見ますよね。今回はこのライトがギラついたように写る光芒の原理や撮り方を説明します。
ちなみに、霧に太陽光が当たって光が降り注いでいるような状態のことも光芒と言うようですが、このページでは前者の光芒について仕組みや写し方を紹介したいと思います。
光芒について
光芒が出る仕組みと絞り羽の枚数による光芒の本数について説明します。
光芒が出る仕組み
光芒は回折現象というものが深く関わっています。
回折現象とは絞りの裏側に光が回り込む現象で、その結果、収差が発生した時のようにセンサー到達時にズレが生じて被写体のシャープさが失われる現象のことを言います。
光芒は強い光源に対してカメラを向けた際に、この回折現象が光源の強さ故にぼんやりぼやけたようではなく、くっきりと出てしまった結果なのです。
また、厳密には光は絞りの裏側だけではなく、その反対側にも同じ角度で広がります。
このことは次の「光芒の本数」にを理解する為に必要となります。
光芒の本数
光芒は奇数枚数の絞りなら絞り羽の2倍の本数が出て、偶数枚数の絞りなら絞り羽と同じ本数の光芒が出ます。
その原理としては、以下の通りです。
光芒は絞り羽が作り出す円の1辺1辺の裏及び、同角度でその反対側に光が回り込んだ結果です。
奇数枚数の絞りの場合、辺の反対側は角になっているため、光芒が出ないので、絞り羽の2倍の光芒が出ます。
偶数枚数の絞りの場合、辺の反対側も平行した辺になっています。そのため、回折現象はどちらの辺でも起こりますが、それにより作られる光芒は重なるので、絞り羽の枚数と同じだけ光芒が出ます。
図にすると、以下のようになります。
7枚絞りだろうと、10枚絞りだろうと原理は同じです。
光芒の写し方
さて、光芒を写すためにはカメラをどのように設定すればよいのでしょうか?
光芒は回折現象なので、回折現象が起こりやすい設定にすれば良いのです。
答えは「絞る」=「F値を上げる」です。F値について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
絞れば絞るほど回折現象は大きくなるので、より絞った方が大きな光芒が出ます。
ギラギラした光芒を第一とするのであれば、F22など、そのレンズの最大F値にすれば良いでしょうし、被写体のシャープさもある程度保つことを考えると、F16位が良いのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしょうか?
工場などの夜景の内の明るい部分や、レーシングカー(GTやWEC等)のヘッドライトがギラッと写っている原理がお分かりいただけたでしょうか?
この原理を知っていれば、あのカッコイイ写真が撮れるというわけです。
大切なのは絞れば絞るほど光芒が大きくなることと、強い光源ほどはっきりと光芒が出るということです。
それでは、他のページも見ていただいて、一緒に写真のある生活を楽しみましょう♪
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