F値の説明記事でも少しだけ触れましたが、絞りを絞るとくっきりシャープな写真に仕上がります。
これは、収差の少ない、レンズの中心部分のみを使えるからで、明るいところではAPS-Cが案外画質が良いと言われるのもこのためです。
しかし、絞りすぎると回折現象というものが発生し、写真がぼやけたようになってしまいます。
今回は回折現象とはなぜ発生するのか、どのような現象なのかを実写と図を用いて解説します。
回折現象の確認
まずは回折現象が本当に起こっているのか確認してみましょう。
お札は造形が細かいので、福沢諭吉さんの顔の部分を使わせて頂きました。
クリックして拡大していただくとわかりやすいと思います。
F4.0~F11あたりまではおでこの縦線が明確に見えているのではないでしょうか?
特に、F4.0~F8.0は縦線と縦線の間に細かい横線が入っていることもわかります!
F16やF22は縦線がぼんやりと見えますよね?
このように滲んだようなぼやけ方をしているのが回折現象によるものなのです。
どうして起こるの?
光は障害物にぶつかると、その障害物に遮られなかった光は障害物の裏側に回り込もうとする性質があります。
回折現象とは、写真がぼやけることを指すのではなく、この物理法則のことを指します。
写真の場合、外部から入ってきた光を絞りが遮ります。
遮られた光は回折現象を起こして、絞りの裏側で広がりながらイメージセンサーに向かいます。
回折光の影響をほとんど受けないように撮影すると、綺麗な写真になるのです。
しかし、しぼりを絞りすぎて回折光を利用した写真を撮ると、先ほどの福沢諭吉のような滲みが発生してしまいます。
このことを小絞りボケと言い、いわゆる回折現象による写真の劣化というものです。
まとめ
回折現象による小絞りボケの原理を紹介しました。
細かい部分のシャープさが失われてしまうということが実際に比較していただくとわかったかと思います。
回折現象の影響を受けないように綺麗な写真を撮ることができるのはF5.6~F8.0、許容範囲はF11くらいまでですので、意識して撮影してみてください!
ただ、大きく引き伸ばしたり、納品するようなことがないならF16やF22も使っても良いかもしれませんね。
あと、この回折現象を利用した撮影としては、光芒(光条とも言う?)の撮影がありますので、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
それでは、他のページも見ていただいて、一緒に写真のある生活を楽しみましょう♪
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