写真を綺麗に写すためには、カメラ内部に光を取り込むためのパーツであるレンズを有効活用する必要があります。
なぜ開放よりも1~2段絞った方が綺麗な写真だと言われるのか。
十分な光源がある状況で、同じレンズを使うのであれば、フルサイズよりもAPS-Cの方が綺麗だと言われることもあるのは何故なのか。
そんな疑問を解決します!
レンズ中心部分が綺麗な理由
レンズはイメージセンサー上で像を結ぶ為に、光を集められるように表面が曲線になっています。
そして、この曲線は正面からの光に対して中心付近ではほぼ垂直に光が入ってくるのに対して、レンズの周辺部分ではレンズ面に対して角度がついた状態で光が入ってきます。
そして、色によって光の波長が異なると、屈折の角度が異なります。
その結果、レンズ周辺を通る光は屈折角度が大きくなるので、その分バラつきも大きくなるわけです。
このバラつきを“収差”と言い、影響が大きければ大きいほどぼやけたような写真の仕上がりになってしまいます。
これを抑え、より綺麗な写真を作り出す為に、各レンズメーカーはレンズを組み合わせたり、レンズコーティングを施したり、レンズの素材を収差の少ないものにしているのです。
一方、レンズの中心をとおってくる光はそもそも屈折をしないので、波長ごとの光がバラつきづらいということですので、レンズの中心を使うのが綺麗な写真になるための条件の一つと言うことです。
ちなみに、自然界で大気中の水分で屈折を繰り返した太陽光が作り出す現象を虹と言います。虹は収差なのです!
できるだけレンズの中心を使う方法
それでは、どうすればレンズの中心を使うことが出来るでしょうか?
1つは絞りを絞って、レンズの周辺部分を使わないようにすることです。
以下のページはボケの原理をまとめたページですが、F値を絞った時の光の軌跡もここに示しました。
そのようにしてレンズの中心部分だけが使用できるので、「絞ったほうが綺麗」と言われるのです。
もう一つはより小さいセンサーを使うことです。
デジタル写真とはレンズの作り出したイメージサークルのうち、イメージセンサー上に映し出された部分のみを記録することで出来ています。(フィルムカメラならフィルムです。)
そして、以下の記事でも示したように、同じレンズで作り出すイメージサークルは同じでも、センサーのサイズが異なると、切り取る範囲が異なるわけです。
イメージサークルのうち、より中心だけを使っているのは小さいセンサーですよね?
こういった理由で、十分な光源があるのであれば、同じレンズならAPS-Cセンサーの方がフルサイズよりも綺麗と言われる事があるのです。
まとめ
レンズ中心部分は収差が少なくて綺麗に撮れる部分であるということと、そこを使う為に絞り込むことや小型センサーを使うという内容でした!
フルサイズよりもAPS-Cが綺麗かどうかは、レンズの収差の影響と、センサー受光部の大きさの影響のどちらが大きいか分かりませんが、稀にこのように言われている理由はお分かりいただけたと思います。
それでは、他のページも見ていただいて、一緒に写真のある生活を楽しみましょう♪
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