レンズの名前はややこしいですよね・・・。
数字やアルファベット何文字かの組み合わせで構成されていて、何が何やら・・・。
私も普段使うCanonのレンズはある程度意味を理解していますが、その他のメーカーは「何だっけ?」となります・・・。
しかし、レンズを選ぶ際に最も重要になるのもこのレンズの名前です!
理由は、レンズの名前はレンズの性能を書き出したものだからです!
今回はまずはレンズ名の基本的な構成や、通称を紹介した後に、各メーカーのレンズ名をまとめたいと思います。
お使いのカメラに応じて必要なところだけ目次から飛んでいって、見て頂ければと思います!
レンズの名前の基本的な構成
レンズの名前は基本的に構成が以下のようになっています。
例えば、CanonならEF24-105mm F4L IS II USM、NikonならAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDと言った具合です。
そして、焦点距離+開放F値で構成された基本性能の部分が最も重要で、レンズ選びの際にまず見る部分であり、尚且つ通称もここを使います。
開放F値の固定と可変
ズームレンズの場合、開放F値が単焦点レンズのようにF2.8やF4の1つだけのものや、F4-5.6と複数書いてあるものもあります。
1つしか書いていないものを固定または通しと言い、複数書いてあるものを可変と言います。
基本的にズームレンズは開放F値は可変で、最も短い焦点距離(ワイド端)にしたときの開放F値が左側の数字、そこからズームしていくことで徐々にかつ自動的に開放F値も大きくなってしまい、最も長い焦点距離(テレ端)で右側の数字が開放F値となります。
つまり、開放F値が可変のレンズを使用して開放F値で撮影していると、焦点距離次第で写真の仕上がりも暗くなったり明るくなったりしてしまいます。
そこを、メーカーの技術や大口径化をすることで固定にしたものが通しレンズです。そのため、通しズームレンズは「大三元レンズ」や「小三元レンズ」と呼ばれ、高級レンズとして扱われます。大三元レンズ、小三元レンズに関しては、以下をご覧ください。
F値の固定や可変とは別ですが、テレコンバーターという画角をレンズの持つ焦点距離の1.4倍や2倍に出来るものがありますが、これを使用すると、開放F値を含めた実質的なF値がレンズのみで使用している場合に比べて1.4倍から2倍になってしまいます。
レンズの通称
レンズの通称は以下のようになります。
レンズは純正品の他に、SIGMAやTAMRONと言ったサードパーティーメーカーのものが使えるので、このように呼びます。人によって少し違いますが、大体これで伝わるでしょう。
例えば、Canonの有名な望遠大三元レンズ「EF70-200mm F2.8L IS III USM」なら、「純正ななじゅうにひゃく の 2.8(通し)」(又は純正望遠大三元とも言う)ですし、Nikonも「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」なら、「純正にぃよん、はちご の F3.5から4.5」と言ったりします。
サードパーティー製なら、TAMRON製の「SP 35mm F/1.8 Di VC USD」なら「タムロンの35ミリ1.8」と、メーカー名がくっついたりします。SIGMA製の「60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM」を「シグマのろくじゅうろっぴゃく F4.5~6.3」で伝わります。
あとは24は「にじゅうよん」よりも「にぃよん」の方が言いやすいのでそのように言われたり、単焦点なら「ミリ」をつけたりしますが、どちらでも伝わるので、安心してください!
さらに、高級レンズはせっかくならアピールしたいので、別途それを通称に加えたりします。Canonの「Lレンズ」、ソニーの「Gレンズ」等がそれにあたります。
各メーカーのレンズ名の意味
それでは、各メーカーのレンズ名の意味を紹介します。
Canon
マウント名や フォーマット |
EF | フルサイズ対応レンズ |
EF-S | APS-C用レンズ | |
EF-M | ミラーレス一眼用レンズ | |
RF | フルサイズミラーレス用レンズ | |
高級レンズ | L | LUXURYレンズの略。収差の少ない蛍石や非球面レンズなどの技術を盛り込んだレンズ。 レンズ先端に赤いラインが入っているCanonユーザーの憧れレンズ。 |
手ブレ補正機能 | IS | Image Stabilizer の略で、手振れ補正機能がついていることを示す。 |
バージョン | ローマ数字 | 同じ性能のレンズでバージョンアップするたびにⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ…と数字が増えていく。 |
AF駆動方式 | USM | 超音波モーターの事で、素早くかつ静かにフォーカス調整がされる。Canonの場合、USMの中でも3種類ある。 |
STM | ステッピングモーターの事で、シンプルな構造でフォーカス性能自体はUSMに劣るが、小型や安価などのメリットがある。 | |
その他 | マクロ(接写)、フィッシュアイ(魚眼)などの有名な機能や、TS-E(ティルト)やDO(回折現象を利用して収差補正をするレンズ)と言った特殊なレンズがある。 |
Nikon
AF駆動方式 | AF-S | 超音波モーターの事で、素早くかつ静かにフォーカス調整がされる。 |
AF-P | ステッピングモーターの事で、シンプルな構造で小型化が可能である。 | |
マウント名や フォーマット |
(FX) | フルサイズ対応レンズ。レンズ名には記載はされないため、DXでも、ZでもなければFXである。 |
DX | APS-C用レンズ | |
Z | フルサイズミラーレス用レンズ | |
絞り方式 | E | 絞りレバーと絞り環がなく、電磁制御している。 |
G | 絞りレバーはあるが、絞り環がない。※絞り環(又は絞りリング)とはレンズ側で絞りを操作できる機能のこと | |
D | 最も古い方式。絞りレバーと絞り環がある。 | |
使用素材 | ED | 収差低減レンズ使用 |
FL | 蛍石使用 | |
手ブレ補正機能 | VR | Vibration Reduction の略で、手振れ補正機能のことである。 |
バージョン | ローマ数字 | 同じ性能のレンズでバージョンアップするたびにⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ…と数字が増えていく。 |
その他 | IFはピント調整の方式が中間のレンズが動くことで行われている方式。 その他、レンズ名には登場しないが、使用素材やコーティング名を記号で表しているので、詳しくはメーカーサイトで! |
Sony
ZEISSレンズ | Distagon | ドイツのカールツァイスとSonyが共同開発したレンズにつけられる名称。加えて、レンズ名の末尾に”ZA”と記載。 以下、Sony公式サイトより。 「階調、色再現、透明感、立体感、ぼけ味など、被写体の微細な質感までを再現します。 また、光の透過率が極めて高い独自の「 T*(ティースター)コーティング」により、画質低下の原因ともなるフレアやゴーストを最小限に抑え、忠実な色再現とヌケの良い卓越した描写を実現します。」 |
Planar | ||
Sonnar | ||
Vario-Tessar | ||
マウント名や フォーマット |
FE | フルサイズEマウントレンズのこと。 |
F | Eマウントレンズ。APS-Cレンズのこと。 | |
パワーズーム | PZ | 動画を撮る際などに便利な一定速度でズームができる機能。 |
高級レンズ | G | 高級レンズ。白字のGに、黒い背景のロゴがレンズに刻まれている。 |
GM | 最高級レンズ。G Masterの略。白字のGに、赤い背景のロゴがレンズに刻まれている。 | |
手ブレ補正機能 | OSS | レンズ内光学式手ブレ補正機能。レンズないジャイロセンサーが検知した動きを補正レンズが動くことで手ブレ補正する。 |
その他 | STFは特殊効果フィルターで、滑らかで美しいボケ味が得られる。 |
OLYMPUS
ブランド名 | M.ZUIKO DIGITAL | OLYMPUSのレンズブランド名。 |
使用素材 | ED | 収差低減レンズ |
手ブレ補正機能 | IS | 手ブレ補正機能付きレンズ。ボディ側の補正に加えてレンズ側の補正機能が付いている。 |
高級レンズ | PRO | 防塵・防滴などの堅牢性に優れ、高画質のレンズ。 |
電動ズーム | EZ | 動画撮影時にスムーズなレンズができる電動ズーム機能付き。 |
PENTAX
コーティング | HD | 高密度多層コーティングのこと。Smcよりもゴースト・フレアを抑え、耐久性も高くなる。 |
smc | 多層コーティングのこと。新技術のHDに移行中? | |
マウント名や フォーマット |
FA | フィルム時代からのフルサイズ対応レンズ。デジタルで使えるものもあるらしい。 |
DA | APS-C用レンズ | |
D FA | デジタルフルサイズ対応レンズ | |
使用素材 | ED | 収差低減レンズ使用 |
AL | 非球面レンズ使用 | |
駆動関連 | IF | インナーフォーカス機能。内側のレンズが動いてフォーカスする。 |
RE | 使用時にレンズが出て、収納時はコンパクトになる機能。 | |
AF駆動方式 | SDM | 超音波モーター。ブレーキ機能もあり、高精度。 |
DC | 直流モーター | |
PLM | パルスモーター | |
堅牢性 | AR | 防塵防滴性能装備 |
WR | 防滴性能装備 | |
その他 | ☆は高級レンズ、Limitedは他にはないような、少しマニアックな製品。 |
FUJIFILM
マウント名 | GF | GFXシリーズのボディで使えるレンズ |
FX | Xシリーズのボディで使えるレンズ。 | |
FC | Xシリーズのボディで使えるレンズだが、お手ごろなレンズ? | |
絞り方式 | R | 絞り環付きレンズ |
AF駆動方式 | LM | リニアモーター搭載レンズ。静音高速フォーカスが可能である。 |
手ブレ補正機能 | OIS | レンズ内手ブレ補正機能。ブレと反対方向に動き、手ブレを補正する。 |
特殊フィルター | APD | SonyのSTF同様、ボケを綺麗にするフィルターが内蔵されたレンズ。 |
堅牢性 | WR | 防塵防滴性能装備。PENTAXにもWRがあるが、PENTAXは防滴のみを表している。 |
SIGMA
マウント名やフォーマット | DG | フルサイズ対応レンズ |
DC | APS-C用レンズ | |
DN | ミラーレス用レンズ | |
使用素材 | APO | 収差低減レンズ使用 |
ASP | 非球面レンズ使用 | |
手ブレ補正機能 | OS | 手ブレ補正機能付きレンズ |
AF駆動方式 | HSM | 超音波モーター搭載レンズ。静音高速フォーカスが可能である。 |
駆動関連 | IF | インナーフォーカス機能で内側のレンズが動いてフォーカスする。 |
RF | 後玉が動いてフォーカスする。 | |
F値通しレンズ | EX | F値通しレンズに記載される記号。 |
その他 | レンズタイプ別にContemporary(軽量お手頃)、Sports(堅牢性が高く、動く被写体に適したレンズ)、Art(描写性に優れたレンズ) |
TAMRON
高級レンズ | SP | 高級レンズシリーズ |
フォーマット | Di | フルサイズ対応レンズ |
Di Ⅱ | APS-C用レンズ | |
Di Ⅲ | ミラーレスカメラ用レンズ | |
手ブレ補正機能 | VC | 手ブレ補正機能搭載レンズ |
AF駆動方式 | RXD | ステッピングモーター搭載レンズ |
PZD | 超音波モーター搭載レンズ | |
USD | 超音波モーター搭載レンズに、フルタイムマニュアルフォーカス機能が搭載されている。 | |
使用素材 | LD | 収差低減ガラス使用 |
Aspherical | 非球面レンズ使用 | |
XR | 高屈折率ガラス使用 | |
駆動関連 | IF | インナーフォーカス機能で内側のレンズが動いてフォーカスする。 |
まとめ
いかがでしょうか?
ややこしいレンズの名前が少しでも理解いただけましたか?
いずれのレンズも焦点距離+開放F値が基本性能であり、これを理解するだけで基本的なレンズの性能を理解できます。
その他、その前後についている各メーカーの記号からその他の付随機能もおおよそ理解できると言うことです。
レンズメーカーはここに上げたもの以外にもいくつかあり、特に有名な韓国のSAMYANGというメーカーの14mmのレンズは星空撮影に高コスパなレンズだと言われていたりしますが、ここに記載したレンズ名の基本性能の部分を理解していればどんなレンズなのかわかるようになると思います。
ちなみに、星空の撮り方や上述のSAMYANGの14mmの広角レンズについては以下を確認してください。
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