工場夜景の写真を旅行会社のパンフレットや、企業ホームページ、インスタ等で見たことはありませんか?
工場内を照らす照明がギラッと光っていて、階段や配管の細かいところを描写し、煙突から上がる煙はなびいている、クールな色合いの現実離れした、幻想的な風景です。
「どうやってあんなかっこいい写真撮ってるの!?」なんて思いますよね。
私の写真がそれに値するのかどうか分かりませんが、サンプルをご覧にください…(笑)
実は、これは初心者で、エントリー機しかないという方でも意外と簡単に撮影できるのです!
今回はそんな工場夜景の撮影の仕方を紹介します。
また、別記事で工場夜景のRAW現像の仕方は以下の記事を参考にしてください。
工場夜景を撮影する為に必要なもの
まずは、工場夜景に必要な道具の紹介です。
出来るだけセンサーの大きなカメラ
これに関しては、正直、フルサイズでも、APS-Cでも、マイクロフォーサーズでも、シャッタースピード、F値、ISO感度を設定できるのであれば、どんなカメラでも問題ありません!
ただ、いくつか持っているなら、よりセンサーが大きいカメラの方が綺麗に撮影できます。
その理由は、以下のページをご覧ください。
お好みの光芒が出せるレンズ
導入部分で紹介した、「照明がギラッと」というのは「光芒」と言います。
これは、レンズ内の絞りの枚数によって表れる本数が異なります。
詳しくは、こちらをご覧ください。
あまりギラギラしすぎて、光芒ばかりに目が行ってしまうのを避けるために、私は10枚絞りで10本の光芒が出る以下のレンズを夜景撮影を中心に考え、購入しました。
標準ズームレンズ EF24-105mm F4L IS II USM(Canon) | |||
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ちなみに、このレンズは日常でも使える便利ズーム&手ブレ補正4段分のF値4通しの小三元レンズなので、普段はこの1本をメインにして、使うことも出来ることや、いずれフルサイズになったときにも使える標準レンズだということを交渉材料に、妻から購入許可を得ました!笑
三脚
三脚も、とりあえずカメラをしっかりと固定できるものであれば、何でも良いです!
ただ、工場夜景の撮影はこの三脚が最もキモになる機材で、出来るだけしっかりしたものが良いです。
というのも、長秒露光をするので、風が吹いて揺れたり、カメラとレンズの重さに対して三脚の耐加重が足りない場合は撮影中に段々とカメラが俯いていくとブレになります。
場合によっては風で三脚が倒れてカメラが壊れたり、耐加重の小さい三脚でしっかり固定しようと雲台のネジを締めすぎて馬鹿になってしまい、その日はもう撮影できなくなったりします…。(←コレ、体験談です…笑)
とは言え、そんなに悪天候ではなく、尚且つエントリーモデルのカメラとキットレンズであればそこまで重くはないので、2,000~3,000円で買える三脚で十分です!
ちなみに、私がこの記事を書いている時点で愛用している三脚は以下です。
理由としては、
①本体はエントリーモデルのままでも、レンズが前述のレンズを購入した為、それなりの耐加重が必要になったこと
②安いプラスチックやアルミ製の三脚が何度もすぐに壊れたこと
③どうせそれなりのものに買い換えるならカーボン製でマクロなどにも汎用的に使える三脚が良かったことなどです。ご参考までに。
Velbon 三脚 VS-5400Q 4段 レバーロック 脚径25mm 中型 自由雲台 V4-unit付 クイックシュー対応 カーボン脚 | |||
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(あれば)レリーズ
以下の記事でも書きましたが、長秒露光の場合、三脚を使用してもブレが生じることがあります。
それを防ぐ為にはレリーズが一つの手段ですが、上記記事にも書いたように、2秒セルフタイマーやWi-Fi接続でも代用できますので、「あれば」程度でかまいません。
もしもわざわざ購入されるのであれば、先ほどの三脚のように、汎用性のあるものをお勧めします。シャッタースピードとシャッター枚数なども設定できる以下を利用すれば、無数に飛び交う蛍や、星が北極星を中心に回っている写真を作れる、比較明合成にも使えます。
【ロワジャパン】【液晶LCD/タイマー機能付/撮影回数設定無制限】【PDF日本語説明書あり】コードレリーズ | |||
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但し、メーカーや機種によって端子の形が異なるので、その点は良くご確認ください。
工場夜景を撮影する設定
さぁ、いよいよ工場夜景の撮影をしてみましょう!
実は、工場夜景はどちらかというと準備の方が大変で、設定自体はものすごく簡単です!
感度(ISO)の設定
まずは、感度を設定します。
低感度の方が綺麗な仕上がりになるので、感度は100に設定してください。
感度100ではどうしても暗い仕上がりになる場合、他の設定を終えてから最後に200や、400に上げてみますが、できる限り低感度で撮影しましょう。
シャッタースピードの設定
感度100ということは、かなり暗いので、シャッタースピードを30秒に設定します。
この設定も、この時点では暗すぎたり、逆に明るすぎたりするかもしれませんが、絞りの値を変更してから再度この設定を見直します。
また、前項で感度は出来るだけ低感度と書きましたが、感度100のまま何分間も露光して明るさを設定すると、デジタル一眼では高感度ノイズ以上のノイズが出ますので、シャッタースピードは最長で30秒だと思っておいてください。
絞り(F値)の設定
ギラギラした光芒を出す為に、絞りはかなり絞り込みます。
F14~F20程度まで絞りましょう。
明るさとのバランスを見て、絞りの値を変更しましょう。
明るさの微調整
今はISO感度100、シャッタースピード(SS)30秒、絞り(F値)F14~F20になっていると思います。
明るい場合は絞りを絞った上で、それでも明るいならシャッタースピードを短く調整しましょう。
暗い場合は、F値を出来るだけ小さく(F14、それでも暗ければF11程度)にし、まだ明るさが足りないと感じた場合は、感度を200にしてみて、400にしてみて調整しましょう。
ホワイトバランスの設定
明るさの調整が終われば、ホワイトバランスの設定です。RAW現像される方はここは後々変えられますが、撮って出しをされる方はここでしっかり設定しておく必要があります。
くもりなどの赤めの設定はそれはそれで燃えるような色味になって不気味で魅力的ですが、お勧めは白熱電球です。
工場の無機質でクールな感じや、空の青さが表現できる為です。
シャッターを切るための設定
長秒露光ではシャッターボタンを押した衝撃で仕上がりが僅かにブレます。
そのため、シャッターを切る瞬間にカメラに触っていなくても良いように以下の3つのうちのいずれかの設定を行いましょう。
1:2秒のセルフタイマー
2:Wi-Fiでスマホとカメラをリンクしてリモート撮影
3:レリーズでシャッターを切る
後は撮るだけ!
以上の設定が終われば、後は三脚に乗せて、構図を決めて撮影するのみ!
風がなければ水面の反射を利用して撮影するも良し、どこか1部分のみを望遠で切り抜いて撮影するも良し、広角で全体を撮影するも良しです!
ちなみに、この写真はホワイトバランスを曇りにして撮影してみているところです。
まとめ
いかがでしたか?
撮影の設定自体は意外と簡単ではなかったでしょうか?
F値は絞る、感度は出来るだけ低く、長秒露光に耐えられる三脚を使って、青めのホワイトバランス(白熱電球など)で、カメラに触れずにシャッターを切る。
コレだけで工場夜景は撮影できます。
今回撮影した画像をRAW現像する場合の私なりの手順も別ページで紹介します。
それでは、他のページも見ていただいて、一緒に写真のある生活を楽しみましょう♪
少しでも疑問が解消できたり、参考になったという方はシェアボタンを宜しくお願いします!!m(_ _)m
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