まずは大三元の由来ですが、麻雀をやる方は役の事だとご理解いただけるかもしれませんが、本来は中国の優秀な人を指した言葉でした。
元々、中国の官僚試験である科挙の郷試(地方試験)の首席を「解元」、会試(中央試験)の首席を「会元」、殿試(最終試験)の首席を「状元」と言い、全てを首席で合格することを共通する「元」を取って大三元と言ったようです。
そこから、麻雀の役に大三元・小三元というものが出来、カメラにも使われるようになったようです。
由来はさておき、カメラの世界で使われる大三元レンズ、小三元レンズとはどのようなもので、どんなレンズがあるのか紹介します。
大三元レンズが必要か、小三元レンズで十分かに関しては、以下の記事を参考にしてください。
大三元レンズ、小三元レンズとは?
大三元レンズとは、開放F値が2.8通しのズームレンズのことで、基本的に広角・標準・望遠の3種類が用意されています。
小三元レンズとは、開放F値が4通しのズームレンズのことで、基本的に広角・標準・望遠の3種類が用意されています。
開放F値の固定等を含むレンズの名前について、詳しくはこちらをご覧ください。
ちなみに、F値については、こちらをどうぞ。
基本的にズームレンズは焦点距離に応じて開放F値が変化してしまいます。
それを、レンズ自体を大型化して大口径レンズにすることや、ズームの倍率を3倍程度にセーブすることなどで望遠端(テレ端)でも開放F値をかなり明るく保っているのです。
そして、ズームレンズでありながら開放F値が固定であることや、単焦点レンズの様な明るさを持つことから使い勝手が良く、描写力もある大三元レンズは一眼レフユーザーの憧れの一つでもあります。
F値通しレンズのメリット・デメリットは?
開放F値が可変の場合、広角端で例えばF4で適正露出で撮影していたとき、テレ端で撮影を始めると、1段ほど暗くなります。
F値が固定の場合、露出が変わるというようなことがなくなるのが最大のメリットです。
また、ズーム倍率が3倍程度にセーブされている為、必要以上にレンズ枚数も増えないので、画質も良くなります。
さらに、大三元に関しては、開放F値が2.8なので、明るく、美しいボケ味もメリットです。
一方、デメリットは、大口径なので、レンズ自体が重たいことです。
また、レンズ自体が大きいので、レンズ1枚1枚などの使用材料も大きくなるので、購入費用も高くなります。
つまり、F値可変ズームよりも小三元、小三元よりも大三元が値段が高く、重たいのです。
各メーカーの大三元、小三元
各メーカーの大三元レンズ、小三元レンズをまとめます。
Canon
大三元レンズ
<広角>16-35mm
広角大三元ズームレンズ EF16-35mm F2.8 L III USM(Canon) | |||
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<標準>24-70mm
標準大三元ズームレンズ EF24-70mm F2.8L II USM(Canon) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠大三元ズームレンズ EF70-200mm F2.8 L IS III USM(Canon) | |||
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Canonの純正大三元を2020年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約23万円、標準で約20万円、望遠で約23万円の3本合わせて約66万円となります。
また、よくレンズは資産だと言いますので、バージョンが古いものでもよければ、もう少し安く揃える事ができます。
小三元レンズ
<広角>16-35mm
広角小三元ズームレンズ EF16-35mm F4L IS USM フルサイズ対応(Canon) | |||
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<標準>24-70mm
標準小三元ズームレンズ EF24-70mm F4 L IS USM フルサイズ対応(Canon) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠小三元ズームレンズ EF70-200mm F4L IS II USM(Canon) | |||
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Canonの純正小三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約13万円、標準で約11万円、望遠で約15万円の3本合わせて約39万円となります。
また、Canonには標準域のF4通しは24-70mm以外に24-105mmというレンズがあり、これもなかなかに人気のレンズです。
標準ズームレンズ EF24-105mm F4L IS II USM(Canon) | |||
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というのも、普段持ち歩くのに、この1本があれば便利だという、ズームレンズの中でも、105mmまで望遠できる所謂「便利ズーム」だからです。
さらに、絞り羽が10枚なので、玉ボケが綺麗で、尚且つ夜景撮影した場合の光芒の出方がこのレンズ唯一なのです。
加えて、手ブレ補正は4段分ですので、1/20のシャッタースピードでも、2の4乗倍の1/320相当の手ブレで済むと言う計算になります。
このレンズは持っているので、レビューはこちらです。
フルサイズミラーレス専用大三元レンズ
Canonのフルサイズミラーレスである、EOS Rシリーズに対応したRFレンズでも大三元レンズが一通り発売されました。
EFレンズに比べて小型軽量化、より強力な手振れ補正等、魅力的なレンズが揃っています。
<広角>15-35mm
広角大三元ズームレンズ RF15-35mm F2.8 L IS USM(Canon) | |||
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<標準>24-70mm
標準大三元ズームレンズ RF24-70mm F2.8 L IS USM(Canon) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠大三元ズームレンズ RF70-200mm F2.8 L IS USM(Canon) | |||
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Canonの純正大三元を2020年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約24万円、標準で約27万円、望遠で約27万円の3本合わせて約78万円となります。
Nikon
大三元レンズ
<広角>14-24mm
広角大三元レンズAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(Nikon) | |||
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<標準>24-70mm
標準大三元ズームレンズAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR フルサイズ対応(Nikon) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠大三元ズームレンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR フルサイズ対応(Nikon) | |||
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Nikonの純正大三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約24万円、標準で約24万円、望遠で約27万円の3本合わせて約75万円となり、Canonより10万円程高くなります。
Nikonの場合、広角レンズがCanonよりも2mm広角に写せますが、前玉が半球状の、所謂出目金レンズとなります。
小三元レンズ
<広角>16-35mm
広角小三元ズームレンズAF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR(Nikon) | |||
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<標準>24-120mm
標準小三元ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR フルサイズ対応(Nikon) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠小三元ズームレンズ AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR フルサイズ対応(Nikon) | |||
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Nikonの純正小三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約13万円、標準で約9万円、望遠で約16万円の3本合わせて約38万円となります。
フルサイズミラーレス専用大三元レンズ
Nikonのフルサイズミラーレスである、Zシリーズに対応したZレンズでも大三元レンズが一通り発売されました。
NikonのレンズもZマウントの物はCanonのLレンズ、SonyのGレンズ、GMレンズの様に高級ラインナップは最後にSと表記され、S-Lineと言われるようになりました。
<広角>14-24mm
広角大三元ズームレンズNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S(Nikon) | |||
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<標準>24-120mm
標準大三元ズームレンズNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S(Nikon) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠大三元ズームレンズ ンズ NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S(Nikon) | |||
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Nikonの純正大三元ミラーレスレンズを揃えた場合、amazon価格で広角で約28万円、標準で約28万円、望遠で約28万円の3本合わせて約84万円となります。
Sony
大三元レンズ
<広角>16-35mm
広角大三元ズームレンズ FE 16-35mm F2.8 GM Eマウント35mmフルサイズ対応(Sony) | |||
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<標準>24-70mm
標準大三元ズームレンズ FE 24-70mm F2.8 GM Eマウント35mmフルサイズ対応(Sony) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠大三元ズームレンズ FE 70-200mm F2.8 GM OSS Eマウント35mmフルサイズ対応(Sony) | |||
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Sonyの純正大三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約24万円、標準で約22万円、望遠で約28万円の3本合わせて約74万円となり、Nikonと近い額となります。
小三元レンズ
<広角>12-24mm
広角小三元ズームレンズ FE 12-24mm F4 G Eマウント35mmフルサイズ対応(Sony) | |||
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<標準>24-70mm
標準小三元ズームレンズ Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS Eマウント35mmフルサイズ対応(Sony) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠小三元ズームレンズ FE 70-200mm F4 G OSS Eマウント35mmフルサイズ対応(Sony) | |||
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Sonyの純正小三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約17万円、標準で約9万円、望遠で約12万円の3本合わせて約38万円となります。
また、SonyについてもCanon同様24-105mmのF4通しのレンズが別にあります。
標準ズームレンズ FE 24-105mm F4 G OSS Eマウント35mmフルサイズ対応(Sony) | |||
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OLYMPUS
OLYMPUSはマイクロフォーサーズセンサーなので、画角的にはレンズの焦点距離の2倍の焦点距離のフルサイズカメラで撮影したものと同等になります。
大三元レンズ
<広角>7-14mm(フルサイズ換算14-28mm)
超広角ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO マイクロフォーサーズ用(OLYMPUS) | |||
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<標準>12-40mm(フルサイズ換算24-80mm)
標準ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 防塵 防滴 マイクロフォーサーズ用(OLYMPUS) | |||
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<望遠>40-150mm(フルサイズ換算80-300mm)
望遠ズームレンズ M.ZUIKO ED40-150mm F2.8PRO(OLYMPUS) | |||
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OLYMPUSの純正大三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約13万円、標準で約7万円、望遠で約15万円の3本合わせて約35万円となり、マイクロフォーサーズセンサー用の大三元となると小型化するのでガクッと金額が下がりますね!
小三元レンズ
F4通しの焦点距離が3倍程度の広角、標準、望遠レンズというものはないので、小三元と呼べるものはありません。
PENTAX
大三元レンズ
<広角>15-30mm
超広角ズームレンズ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR(PENTAX) | |||
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<標準>24-70mm
ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR(PENTAX) | |||
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<望遠>70-200mm
望遠ズームレンズ D FA★70-200mmF2.8ED DC AW(PENTAX) | |||
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PENTAXの純正大三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約18万円、標準で約15万円、望遠で約22万円の3本合わせて約55万円となり、フルサイズの中ではかなり安いです。
理由としてはPENTAX製品はボディ側に手振れ補正機構があるため、レンズには備え付けていない分安いのではないかという噂もありますが、それゆえに手振れ補正機構の影響を受けない自由なレンズ設計ができることもPENTAXの売りです!
小三元レンズ
PENTAXにも、F4通しはないので、小三元と呼べるものはないでしょう。
FUJIFILM
富士フィルムはAPS-Cセンサーのみのため、画角的にはレンズの焦点距離の1.5倍の焦点距離のフルサイズカメラで撮影したものと同等になります。
大三元レンズ
<広角>8-16mm(フルサイズ換算12-24mm)
広角ズームレンズ XF8-16mm F2.8 R LM WR(FUJIFILM) | |||
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<標準>16-55mm(フルサイズ換算24-77.5mm)
標準ズームレンズ XF16-55mmF2.8 R LM WR(FUJIFILM) | |||
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<望遠>50-140mm(フルサイズ換算75-210mm)
望遠ズームレンズ XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR(FUJIFILM) | |||
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FUJIFILMの純正大三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約22万円、標準で約12万円、望遠で約14万円の3本合わせて約48万円となり、マイクロフォーサーズのOLYMPUSとCanon等フルサイズ機の中間と言うかんじの価格帯です。
小三元レンズ
<広角>10-24mm(フルサイズ換算15-36mm)
広角ズームレンズ 超広角ズームレンズ XF10-24mmF4 R OIS(FUJIFILM) | |||
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<標準>16-80mm(フルサイズ換算24-120mm)
標準ズームレンズ 交換レンズ XF16-80mmF4 R OIS WR(FUJIFILM) | |||
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<望遠>はF4通しレンズなし。
SIGMAには2019年時点で望遠小三元と言えるレンズはないですが、標準レンズがフルサイズ換算120mmと、中望遠域までカバーしています。価格はamazonで広角で約17万円、標準で約9万円の合計で約26万円となります。
SIGMA
大三元レンズ
<広角>14-24mm
SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM(SIGMA) | |||
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<標準>24-70mm
SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM(SIGMA) | |||
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<望遠>70-200mm
SIGMA 望遠ズームレンズ APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM(SIGMA) | |||
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サードパーティ製レンズである、SIGMAで大三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約14万円、標準で約12万円、望遠で約10万円の3本合わせて約36万円となり、小三元レンズ並みの価格で購入可能です。
小三元レンズ
<広角>12-24mm
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM(SIGMA) | |||
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<標準>24-105mm
SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM(SIGMA) | |||
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<望遠>はF4通しレンズなし。
FUJIFILMには2019年時点で望遠小三元と言えるレンズはないですが、amazon価格で広角で約9万円、標準で約8万円の合計で約25万円となります。
TAMRON
大三元レンズ
<広角>15-30mm
大口径超広角ズームレンズ SP 15-30mm F2.8 Di VC USD(TAMRON) | |||
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<標準>24-70mm
大口径標準ズームレンズ SP24-70mm F2.8 Di VC USD G2(TAMRON) | |||
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<望遠>70-200mm
大口径望遠ズームレンズ SP 70-200mm F2.8 Di VC USD G2(TAMRON) | |||
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サードパーティ製レンズである、TAMMRONで大三元を2019年時点の最新バージョンで揃えた場合、amazon価格で広角で約27万円、標準で約15万円、望遠で約10万円の3本合わせて約52万円となり、SIGMAに対して高価です。
また、TAMRONはCanonマウントよりもNikonマウントの物の方が少し値段が上がります。
小三元レンズ
F4通しの焦点距離が3倍程度の広角、標準、望遠レンズというものはないので、小三元と呼べるものはありません。
まとめ
いかがでしょうか?
大三元レンズとは何か、小三元レンズとは何か、通しレンズだと何が良いのか、各メーカーの大三元レンズ、小三元レンズのラインナップがお分かりいただけたのではないでしょうか?
いつかは純正の大三元レンズを揃えたいですよね!
また、いきなり購入は金額的に厳しい方が多いかと思いますので、まずはレンタルをしてみるのも良いかもしれないですね!
送料無料で気軽にカメラ、レンズ、三脚等の機材を購入前にお試しレンタル【Rentio】そして、少しでもお手軽に買う方法こちらを参考にしてみてください!!
それでは、他のページも見ていただいて、一緒に写真のある生活を楽しみましょう♪
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