三脚にはどんなイメージがあるでしょうか?
一眼を最近始められた方や、これからはじめようと考えられている方は、以下のようなイメージではないでしょうか?
子供の運動会で、ずっとカメラを構えていると疲れるから、三脚を用意する。
舞台や講演会の際にステージに向けてカメラを固定しておくときに使用する。
もちろん、そういった使い方が一般的だと思いますが、一眼ユーザーが綺麗な写真を撮影する為には多くの場面で三脚は重要なアイテムです。
今回は三脚の活躍する場面について、紹介します。
夜景撮影
暗い夜に、できるだけ低感度で綺麗な写真を撮ろうとした際、シャッタースピードが長くなります。
シャッタースピードが遅いということは、被写体ブレも、手ブレも発生してしまいます。
そこで、三脚に固定することで、手ブレをなくすことが出来ます。
というわけで、夜景の撮影には三脚は必須です。
光跡(レーザービーム)や、花火の撮影
前述の夜景撮影の際に、手ブレはなくなりますが、被写体が動くことで、被写体ブレは発生してしまいます。
つまり、動かない建物やオブジェなどの景色の撮影には三脚で長秒露光(スローシャッター)にすることが有効ですが、人や動物、水面などの動く被写体には有効ではないということです。但し、敢えて被写体ブレを活かした作品作りをする場合は別ですし、ストロボを活用して夜景を長秒露光をしながら人などの被写体を写し止めることも出来ますので、これは別途記事を用意します。
そして、光跡や花火の撮影はある意味この被写体ブレを活用した撮影を行います。
カメラのフィルムやイメージセンサーは露光中に見えている光を記録するものです。その記録する光が強ければ強いほど、鮮明にセンサーに残ります。そのため、夜間長秒露光で走行中の車両を撮影すると、車の本体は写っていないのに、ヘッドライトやテールランプが通過した部分には光が線になって残ります。
同様の原理で、花火は打ち上がっている時の跡から、破裂した瞬間の芯、開き終えたあとの花火まで、1つの写真として収めることが出来るのです。
街行く人々を消す
まるで独裁者のような項目ですが、そんな恐ろしい話ではありません・・・f ^o^;
前項の車の例で述べたように、強い光を放っていない被写体は長秒露光をすると、記録されない=消えてしまいます。
この原理を利用して、都会や観光地で、たくさん居る人を消してしまい、あたかもそこに誰も居ないかのような写真を撮ることも可能なのです。
但し、長秒露光なので三脚は必須ですし、日中の明るい時間に長秒露光を行う為には、NDフィルターというカメラレンズの為のサングラスが必要になります。
北極星を中心に回る星空や無数の蛍の撮影(比較明合成)
星空を撮影する際は、いくらかテクニックが必要となるので、以下の記事を参考にしてください。
その撮影した画像を比較明合成というデジタル編集を行って、星が北極星を中心に回っている写真を作ることが出来ます。
比較明合成とは、複数の写真のうち、他の写真よりも明るい部分だけを重ね合わせて1枚の写真として記録する編集方法です。
1日で360度自転している地球から星を眺めると、星の方が動いて見えます。これを日周運動と言い、1時間で15度、1分間で0.25度、30秒で0.125度動いてしまいます。この僅かな星の動きを連続で撮影し、それを比較明合成することで北極星を基準に回っている星の写真を撮ることが出来るのです。
そのためには、ズレがなく、星の軌跡が繋がる必要があるので、三脚に固定して一定方向を向き続けることが必須となります。
ここで、「わざわざ比較明合成しなくても三脚に固定してBULB(任意の時間露光できる)を使えば良いのではないか?」という疑問があるかもしれませんが、デジタル写真のノイズには高感度ノイズのほかに、長時間露光ノイズというものもあります。これは別記事で紹介しますが、シンプルに、あまりに長時間露光しているとノイズが発生すると覚えておいてください。
長い時間を1枚の写真に閉じ込めるという点については、項目名にもあるように、蛍の撮影の際もカメラの固定と比較明合成の組み合わせは有力です。
HDR合成
比較明合成のほかに、HDR合成(ハイダイナミックレンジ合成)というものがあります。
ダイナミックレンジとは、「白とび、黒つぶれをせずに階調を記録できる範囲」の事で、HDR合成とは、これを複数の写真の合成で再現することを言います。
晴れた空と日陰になっている建物などの明暗差の大きい被写体を同時に写すとき、いずれかに露出を合わせると、もう一方は階調を失うことが多いです。
そこで、敢えて空に露出を合わせて建物は真っ暗になった写真と、建物に露出を合わせて空は真っ白になった写真の両方を撮影します。これらの画像をHDR合成することで、明るい空と暗い建物の両方を1枚の写真に閉じ込めることが出来るのです。
その際に、注意する点としては、1枚目の写真と2枚目の写真との間で建物の輪郭などにズレがあると、まるでブレたような合成結果となります。(ソフトが判断し、多少は重ねてくれますが…。)
そこで、そのようなことにならないよう、三脚でカメラを固定しておく必要があります。
マクロ撮影
夜景や光跡等の長秒露光や、複数の写真を重ねる合成のためにカメラを固定する以外に、三脚はマクロ撮影にも使えます。
マクロ撮影=接写ということは、被写体に限りなく近づくことになります。
被写体に近づくということは、ボケの4要素のうちの一つであり、被写界深度を浅くする方法の一つです。
被写界深度を浅くするということはつまり、ピント合わせがシビアになるということです。
人間は常に少し動いているので、被写界深度が浅い中で手持ち撮影をすると手ブレやピントのズレがすぐに発生します。どうしても手持ちしかない場合は、連写をしてその中のベストショットを選別することでも解決できます。
そこで、三脚を使うことでブレやピントのズレが生じないようになり、より綺麗なマクロ撮影ができます。
まとめ
いかがでしたか?
三脚は綺麗な写真を撮影する為には重要なアイテムであることをお分かりいただけたかと思います。
特に、夜景を撮影する際は低感度で綺麗な写真が撮影できるので、1枚目の写真を撮り終えた瞬間に感動した思い出があります。
ちなみに、三脚に載せてもわずかなブレが発生することがありますが、それに関しては以下の記事を参考に対策をしてください。
エントリーモデルのカメラとキットレンズでしたら、ほんの2,000円程度の三脚でも十分だと思います。しかも、そういった三脚はコンパクトで持ち運びに便利なものが多いです。私も最初はこのようなものを使っていました。
今では本体はエントリーモデルのままですが、少し良いレンズを買ってみたりして、カメラ自体の重量が増えたことや、しっかりと固定できるものが良いという理由に加え、マクロ撮影をする際にもフリーアングルでカメラを被写体に向けてからエレベーターで近づけられる便利な機能がある約3万円の三脚にしました。
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また、旅先で使えるように、かばんに入れられるサイズのミニ三脚も持っています。
これは、本当に便利です。いつでもどこでもすぐに設置できて、移動もラクラクです!
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これらの三脚のレビューは別途記事にします。
それでは、他のページも見ていただいて、一緒に写真のある生活を楽しみましょう♪
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